2015/08/03

原発事故で避難者の約6割がPTSDやうつ病に!日本の研究者が警鐘を鳴らす

2015年8月3日  IRORIO(イロリオ)http://irorio.jp/daikohkai/20150803/249442/

2011年の福島第一原発事故のために、30km圏内から逃れた17万人がいまだに仮設住宅などで暮らしている。そんな状況の中で、多くの人が精神的なストレスを抱えていることが医療専門誌「LANCET」で発表された。

精神的ストレスでPTSDやうつ病を発症
論文著者の福島県立医科大学の谷川功一博士は、避難生活を余儀なくされている人々を長い間にわたって調査。その結果、通常よりも5倍もの人が精神的ストレスを抱えており、PTSDやうつ病、不安心理に陥っている人が多くいることが分かった。

博士によれば、放射能の危険とともに十数万人にも及ぶ人々の避難生活が、新しい健康被害のうねりを生み出しているという。

心理的問題が生活を破壊する
また女性の中には放射能の影響についての認識の違いから、将来の妊娠や子供への影響について心を悩ませている人も多数に上るとしている。

研究機関などは被ばくした子供たちの間で将来、甲状腺がんの割合が上昇する可能性があると示唆しているが、国連が2013年に行った報告では、被ばくによるがんの増加の可能性は低いと示された。

しかし谷川博士は報告の中で「たとえ目に見える身体的健康被害が予想されないとしても、心理的・社会的な問題は今後もさらに拡大し、人々の生活に破滅的なインパクトを与える可能性がある」と記している。
過去の調査でも同じような結果が

2014年に行われた早稲田大学と震災支援ネットワーク埼玉による
共同調査でも、アンケートに答えた522人のうち57.7%が極めて強い精神的ストレスを抱えており、PTSDの疑いもあるとされた。

これは事故の重大性に関する発表の一貫性のなさや情報の制限によって、社会的な不安が増大させられた結果ともいえるかもしれない。

しかし同時に生きがいを奪われた無力感や、故郷を追われた喪失感、家族の離散による孤独感を抱えた人も多くいる。国には彼らの心のケアを充実させるため、より一層積極的に取り組んでもらいたい。

出典元:
Health effects of radiation and other health problems in the aftermath of nuclear accidents, with an - THE LANCET

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