2016/02/06

質問なるほドリ  福島の県外避難者って大阪にもいるの? /大阪


2016年2月6日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160206/ddl/k27/070/386000c

30市町村に699人 原発事故で関東からも

なるほドリ 先日、東日本大震災や福島第1原発事故による福島県の県外避難者が10万人を切ったというニュースが出ていたね。大阪にもこうした避難者はいるの?

記者 はい。復興庁が毎月公表しているデータによると、全ての都道府県に避難者はいます。昨年12月10日現在、全国に18万2000人いるそうです。大阪府内には、30市町村に699人いると報告されています。

Q まだたくさんいるんだね。

A そうです。東日本大震災は、死者・行方不明者計1万8000人以上を出した未曽有の大災害でした。福島第1原発事故も重なり、被害が広範囲に及びました。復興庁は「大震災をきっかけに移転し、今後、以前の住居に戻る意思のある人を集計する」としていますが、集計方法は各都道府県に任されています。「実態はもっと多い」と話す支援者もいます。


Q 大阪にはどういった避難者がいるの?

A 震災が原因の人と原発事故で避難した人に分けられます。震災では、多くの人が地震や津波で自宅を失いました。一方、原発事故では、放射性物質が広範囲にまき散らされたため、福島県の太平洋側の多くの地域に避難指示が出され、自宅に住めなくなりました。大熊町などでは今も帰還困難区域などが指定され、戻ることができません。

避難指示が出ていない地域からも、子どもなどへの放射線の影響を心配し、自主的に避難した人がたくさんいます。大阪には、福島県だけでなく、茨城県、千葉県など関東地方からも避難してきた人がいます。

Q いろんな人が来ているんだね。

A そうですね。皆、平和な日常の突然の変更を余儀なくされました。5年経過し何とか生活再建できた人がいる一方、まだ再建できずに苦しんでいる人もいます。

また、大阪地裁では国と東京電力に対し、原発事故で避難生活を余儀なくされたとして、関西の避難者らが、両者に損害賠償を求めて提訴しており、現在も裁判は続いています。

東日本大震災は決して遠い場所の昔の出来事ではありません。
<回答・吉田卓矢(科学環境部)>

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