2016/02/10

「発がん率上昇は予測されず」 国連科学委、原発事故影響で認識

2016年2月10日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160210-048940.php

原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR=アンスケア)は9日、東京電力福島第1原発事故の健康への影響に関する2013年福島報告書の追跡調査結果を説明し、「原発事故で発がん率が明確に上がるとは予測されない」との認識をあらためて示した。

いわき市で同日、放射線の影響などについて学校や自治体、医療関係者らに説明した。同委員会のマルコム・クリック事務局長、報告書作成にあたった専門家らが登壇した。

追跡調査について説明するクリック事務局長(右)ら 
同委員会は、本県で現在見つかっている子どもの甲状腺がんについて「スクリーニング効果(集団検診による有病率の上昇)」の影響を指摘。一般集団に対して感度の高い検査を実施すると小さながんも検出され、有病率が上がったかのような傾向が示されるとした。

同委員会は2014(平成26)年4月、12年10月末までの情報に基づく「2013年福島報告書」を公表。それ以降14年12月までに得られた知見を踏まえ、昨年10月に今回の調査結果を盛り込んだ白書を取りまとめた。同委員会は、調査を長期間続ける必要性も強調し、今後もデータを分析して報告書を更新し続けていく考えも示した。

0 件のコメント:

コメントを投稿