2015/08/01

福島事故、精神的被害が重大=英医学誌に論文-県立医大などのチーム

2015年8月1日 時事通信
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201508/2015080100042&g=soc

ロンドン時事】東京電力福島第1原発などで起きた過去の深刻な原発事故で、放射線による身体的な影響以上に、精神的、社会的な被害が重大だったとする谷川攻一・福島県立医科大副学長らのチームによる論文が、英医学誌ランセット8月1日号に掲載された。

特に福島原発事故について論文は「高齢者などの長期的避難生活の問題の重要性や、精神的、心理的、社会的な要素を浮き彫りにした」と指摘した。 

福島事故では2011年5月までに約17万人が避難し、介護が必要な高齢者の死亡率は事故直後の3カ月間で3倍に増加した。その後も事故前の1.5倍になっており、生活環境の変化によるさまざまな悪影響が出たという。また、精神的な健康状態に問題がある人の割合は他の地域の5倍近くに達した。

論文は、原発事故後、医師は心理的な問題を探り出し、長期の避難生活を強いられる多くの被災地住民に、身体的、精神的な面から幅広く医療を提供しなければならないと指摘している。

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