2016/04/27

震災前水準の「3割弱」 福島県農産物・15年度輸出量

2016年4月27日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160427-069426.php

東京電力福島第1原発事故で落ち込んだ県産農産物の2015(平成27)年度の輸出量は3万9372キロで、震災前の水準の3割弱にとどまっていることが26日、分かった。大口の輸出先だった香港、台湾などで輸入規制が続いていることなどが影響している。ただ、前年度比では約4倍に増えた。震災前にほとんど取引がなかったマレーシアやシンガポールなど東南アジアとの取引が実現したことが要因となっている。

県や市町村、県内企業でつくる県貿易促進協議会(会長・内堀雅雄知事)が福島市で開いた総会で報告した。

15年度の輸出量を品目別に見ると、コメは1万3240キロと前年の300キロから大幅に増えた。ただし、提供先はホテルやレストランなど業務用に限られ、スーパーマーケットなどでの店頭販売には至っていない。

国別の輸出量は、13年3月に規制解除したマレーシアが最多で、コメ1万2000キロ、モモ7685キロ、ネギ3000キロ。検査機関で放射性物質に関する安全性を証明すれば輸出できるタイがモモ1320キロ、リンゴ7700キロ。14年6月に輸入規制措置が緩和されたシンガポールがネギ1057キロ、モモ790キロ。

県内農産物の輸出量は、震災前の10年度は15万1449キロで、主な輸出先は香港や台湾など東アジアだった。特に両国へのコメの輸出量は、震災前に約10万キロの実績があり、農産物輸出量の大部分を占めていた。原発事故以降は両国とも禁輸措置が取られたままだ。

県は、本年度も輸入規制が厳しい国へ規制緩和の要請活動を続けながら、経済成長が著しく比較的輸入規制が緩やかな東南アジアでの販路開拓を基本的に展開する。

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