2016/04/24

原発避難の経験生かしたい 福島大生ら支援へ

2016年4月24日 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016042401001467.html 

東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を経験した福島大(福島市)の学生らが24日までに、熊本地震の被災地を訪れた。「自分たちの経験を生かしたい」。現地で得た情報を他の学生らとも共有し、今後の支援方法を検討している。

現地入りしたのは福島大の大学院に通う伊藤航さん(27)と同大3年木村元哉さん(20)。伊藤さんは同大災害ボランティアセンターのメンバーで、福島の避難所や仮設住宅で被災者を支援してきた。木村さんは原発事故で避難を経験。それを基に県内外で講演し、被災地の案内をしている。

2人は17日に福岡市に到着し、18日から20日まで、震度7を記録した熊本県西原村や益城町に入った。西原村ではボランティアセンターの設営や避難所のトイレの清掃、支援物資の仕分けに携わった。

「原点となった5年前を思い出した。できる限り関わりたい」。伊藤さんは、原発事故の避難者が身を寄せる福島大の避難所でボランティアに取り組んだことがきっかけで、こうした活動に取り組むようになった。「(熊本では)今後、自宅に戻る人や避難所に残る人など一人一人事情が異なってくる。高齢で自宅を片付けられない世帯も出てくるかもしれない。どんなニーズが生まれるかを予測して、支援の方法を考えたい」と話した。

木村さんは原発事故で避難した際、避難所に腐りやすい生鮮食品が届けられたり、支援物資の下着のサイズなどが合わなくても言いづらかったりした経験を思い出した。避難所で性別や年齢、必要な物資を用紙に記入してもらってニーズを効率よく把握する方法や、各自治体に派遣した大学生が支援物資の融通を担うアイデアが浮かんでいる。

「大人と子どもの中間にいる大学生だからこそ、さまざまな人と対話して何に困っているかを聞き出したい」。木村さんは力を込めた。
(共同)

熊本県西原村の施設で支援物資の仕分けを手伝う木村元哉さん(右)
=20日(福島大災害ボランティアセンター提供)

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