http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201604/CK2016042702000174.html
東京電力福島第一原発事故後、放射線の影響で県内での安定的な確保が困難になっていたシイタケ栽培用の原木に関し、足利市と茂木町の一部で、今秋から本格的に調達が再開されることが、県への取材で分かった。来春にも農家に届けられる体制を目指す。県林業振興課は「県内での原木の自給を軌道に乗せ、全国有数の産地の復活に弾みをつけたい」としている。
シイタケ用の原木は主に県内で調達してきたが、原発事故後の2013年度以降、大分県や宮崎県などから調達してきた。15年度は全体の9割の約39万5千本を県外産に頼り、栃木産の原木は約4万5千本にとどまっている。
原木生シイタケの制限解除には、放射性物質濃度が1キログラム当たり50ベクレル以下の原木の使用を義務付けた県の「生産工程管理基準」を守り、収穫物は国の基準(1キログラム当たり100ベクレル以下)を満たす必要がある。
県は15年度、安定的に利用できる原木林を探すため、県南部や東部の8市町の原生林30カ所で、原木の放射性物質濃度を調査。計60の検体を測定した結果、1キログラム当たり50ベクレルを超える原木が見当たらず、安全性が高いと判断した足利市西部と茂木町東部の計約210ヘクタールで、原木の伐採ができる環境を整える。
林業振興課の大栗英行課長補佐は「身近な山の原木を安心して使える環境を取り戻すことで、生産者や山林所有者らの期待に応えたい」と説明。農家の要望も踏まえ、需要に合った原木を調達したいとしている。 (大野暢子)
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