2016/04/19

【報道まとめ】放射性汚染水問題

放射性汚染水問題 トリチウム、海洋放出が最短・最安 経産省が試算

2016年4月19日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160419/ddm/008/040/070000c

東京電力福島第1原発事故の放射性汚染水問題について、浄化処理で取り除けない放射性トリチウム(三重水素)の処分方法を検討している経済産業省が、海へ流すことが最も短期間で低コストで処分できるとの試算結果をまとめたことが分かった。専門家部会で19日提示する。同部会は他の方法と合わせて提示するが、試算結果が処理方法を決める国や東電の判断に影響を与える可能性がある。

同省は、海洋放出のほか、(1)地下に埋設する(2)水蒸気化する(3)水素ガスに還元して大気放出する−−など五つの処分方法を検討。それぞれについて、トリチウムを含む水の総量を80万トン、1日の処分量を400トンなどと仮定し、処分期間やコストを計算、比較した。

試算結果はトリチウム濃度によって変動するが、海洋放出は最長7〜8年で処理することができ、最大でも35億〜45億円程度のコストで、五つの中でも最も低かった。一方、地下埋設は最長76年の管理が必要で、コストも高かった。

汚染水は、汚染水を処理する多核種除去設備「ALPS(アルプス)」で62種類の放射性物質が除去されるが、トリチウムだけは取り除けない。トリチウムを含む汚染水は敷地内のタンクに貯蔵されて日々増え続けている。【岡田英】



トリチウム含む汚染水 海洋放出が最安で最短の評価結果

21016年4月19日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160419/k10010489531000.html

東京電力福島第一原子力発電所の敷地内のタンクに大量にたまり続けている、トリチウムと呼ばれる放射性物質を含む汚染水について、国の専門家チームは、基準以下に薄めて海に放出する方法が、最もコストが安く最短で処分できるとする評価結果をまとめました。国は、放出による地元への影響も考慮したうえで、今後処分方法を決めたいとしています。



福島第一原発では、溶け落ちた核燃料を冷やすために注いだ水などが汚染水となって増え続けていて、処理をしたうえで敷地内のタンクに保管していますが、すでに80万トン近くに上っています。

このうちの75%以上は、取り除くことが難しいトリチウムと呼ばれる放射性物質を含む水で、国は専門家チームを作って処分方法を検討していました。

その結果、19日の会合で、海に放出するケースや、加熱して蒸発させるケース、それに地下に埋設するケースなど、5つの選択肢について処分にかかる期間やコストの試算値を初めて示しました。

それによりますと、基準以下の濃度に薄めて海に放出するケースは、処分の完了までの期間が7年4か月と最も短く、コストも34億円と最も安くなるとしています。

一方、蒸発させるケースは、期間が9年7か月で349億円、地下水よりも深い地下に埋設するケースは、8年2か月で、最も高い2431億円となっています。

トリチウムを含む水の海への放出は、ほかの原子力施設でも行われていますが、風評被害を懸念する漁業者の理解を得ることは簡単ではなく、国は、放出による地元への影響も考慮したうえで、処分方法を決めたいとしています。



海洋放出が最も低コスト…専門家部会が了承

2016年4月19日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160420/k00/00m/040/125000c
東京電力福島第1原発の放射性汚染水問題について、経済産業省は19日の専門家部会で、浄化処理で取り除けない放射性トリチウム(三重水素)の処分方法に関して、海に流す方法が最も短期間で、低コストとする試算結果を示し、了承された。経産省は今夏までに、今回の試算結果を基に報告書を作成し、上部組織の汚染水処理対策委員会に提出する。これを受け、国と東電が処分方法の絞り込みに向けた検討に入る見通し。

試算では海洋放出のほか、水蒸気化や地中への埋設など五つの方法を比較。トリチウムを含む水の総量を80万トン、処理量を1日400トンなどと仮定すると海洋放出は処理期間が7年1カ月〜7年4カ月で最も短く、コストも18億〜34億円で最も低かった。【岡田英】



トリチウム含む水、「海へ放出」コスト最低 経産省部会が試算

2016年4月19日 産経新聞
http://www.sankei.com/affairs/news/160419/afr1604190083-n1.html

東京電力福島第1原子力発電所の汚染水問題を検討する経済産業省の作業部会は19日、浄化装置でも取り除けない放射性トリチウム(三重水素)を含む水について、薄めて海へ放出するのが最も低コストで短期間に処分できるとの試算をまとめた。政府や東電は今秋をメドにトリチウム水の処分に向けた準備を始める予定で、処分方法を議論するための参考資料になる。

処分方法について、海洋放出のほか「地下深くに注入」「水蒸気にする」「水素ガスにして大気に放出」など5つを検討。それぞれ総量80万トンのトリチウム水を1日400トン処分する場合などと仮定して比べた。

トリチウムの濃度によって期間は変わるが、海洋放出は約7年半で処分が終わり、費用は34億~45億円と、他の方法の十分の一以下だった。今夏をメドに報告書をまとめる。

浄化装置「ALPS」は汚染水のほとんどの放射性物質を取り除けるが、トリチウムだけはできない。原発敷地内のタンクに貯蔵されて増え続けている。



汚染水処理 トリチウム水海洋放出が効果的/福島

2016年4月19日 福島中央テレビ
http://www.news24.jp/nnn/news86510573.html

福島第一原発の汚染水処理をめぐり、浄化設備で取り除けない放射性トリチウムの処分方法について、専門家らは海洋への放出が最もコストを抑えられるなどの検討結果を発表した。

福島第一原発で発生する汚染水は、ほとんどの放射性物質を取り除く多各種除去設備=ALPSで処理されているが、トリチウムは取り除けずこの水の処理方法が課題となっている。

このトリチウムを含んだ水の処理方法などを検討している会議がきょう開かれ、トリチウム水を処分する方法を5つに分類し処分に必要なコストなどが報告された。

なかでも、海洋に放出する方法が5つの中で最もコストを抑えられるなどの試算が示され次回までに報告書をまとめる予定。



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