2016/05/28

汚染牧草の減容開始 栗原市、堆肥化実験施設を公開/宮城

2016年5月28日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160528/ddl/k04/040/058000c

栗原市は、東京電力福島第1原発事故で放射能汚染された牧草を堆肥(たいひ)化して減容する実証実験に着手し、同市金成につくった実験施設を27日、住民らに公開した。全国的にも異例の自治体による農業系廃棄物の減容化実験で、10月まで牧草の汚染濃度の推移を調べる。

実験は、市有地に建てられたテント倉庫(1650平方メートル)内に設置した発酵槽で進める。栗原市が委託した環境プラントメーカー「共和化工」(東京都)によると、1工程目として23日から汚染牧草(今月中旬の測定で平均1キロ当たり3500ベクレル)を、水と牛ふん、外気温に関係なく活性化する特殊な微生物とともに槽の中で混合。空気を送り込み、上下など位置を入れ替える「切り返し」をしながら80〜100度の高温で約45日間発酵させる。

これに2工程目としてさらに汚染牧草を加え、8月中旬ごろまで作業。その結果、牧草の量としては10分の1に減り、放射能濃度は同1000〜1500ベクレルに希釈されると想定しているという。

また、この堆肥を使って植物を栽培し、10月まで放射性物質の移転なども調べる。

同市内には、国の基準(同8000ベクレル)を下回り、市町村が一般ごみとして焼却処理などをすると定められた汚染牧草約2600トンが農家で保管されている。佐藤勇市長は、焼却に住民理解を得ることは困難とし、「実験結果を見たうえで、市全体の処理を判断するとともに、知事や環境相にも(減容化を)『一つの道』と伝えたい」と述べた。【山田研】

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