2016/05/28

原発ADR 宮城丸森 和解案受諾へ

2016年5月28日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160528_13012.html 

宮城県丸森町は27日、東京電力福島第1原発事故に伴う損害賠償請求の和解仲介手続き(ADR)で、原子力損害賠償紛争解決センターの和解案を受け入れる方針を固めた。2011、12年度分の請求で、東電が計1490万円を支払う内容。東電が受け入れれば、県内の自治体で初めてADRによる和解が成立する。

町は昨年4月にADRを申し立て、7817万円を請求。センターは東電がこれまでに支払った分を除く7365万円について、和解案を示した。

和解案の骨子によると、町が独自に行った18歳以下の町民の甲状腺検査と母乳検査の費用を盛り込んだ。風評被害の払拭(ふっしょく)を図る直売所イベントへの補助金の一部も支払われる。原発事故対策室(最大時5人)の職員給与は認めなかったが、庁内全職員の時間外手当の一部は対象とした。

給与を除く請求額の約90%が賠償される。東電が受け入れれば、6月末~7月上旬に和解協定書が作成される。町議会の議決を経て協定が結ばれる見通し。

保科郷雄町長は「人件費の点は不本意だが、それ以外では9割が認められた。案をのまざるを得ない」と説明。東電の広報担当者は「ADRの手続きにのっとり、真摯(しんし)に対応していく」と話した。

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