汚染牧草焼却「一部で濃度基準超え」一関市など、住民「事前説明ない」/岩手
2016年5月21日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160521/ddl/k03/040/198000c 放射性物質に汚染された牧草の焼却について、一関地区広域行政組合(管理者、勝部修・一関市長)と一関市は19日夜、同市大東町の大東清掃センターで住民説明会を開いた。組合は、2012〜13年に焼却した分の放射性セシウムの濃度は、一部で指定廃棄物として自治体ではなく国が処理する基準(1キロ当たり8000ベクレル)を超えていたと説明。焼却前の事前説明会ではこうした説明がなかったとして、住民側は反発している。
同センターでは、汚染された牧草と一般ゴミを混ぜて焼却。濃度を低くして、その焼却灰を市内の最終処分場に運び込んでいる。
組合と市は焼却を始める前の11〜12年、地区住民に事前説明会を開いた。12年1月〜13年3月に約1600トンを焼却。このうち、約1200トンを環境省の事業で処理し、焼却前の濃度は最大で2万100ベクレルで、焼却灰の濃度は最大4000ベクレルだったことが、同省のウェブサイトで紹介されている。
説明会に参加した住民団体「寺崎前地区の環境を守る会」(菊地弘道会長)は「事前説明会では、国の事業で(指定廃棄物の基準となる)8000ベクレル超の廃棄物を焼却するとは聞いていない」と質問した。
これに対し、市農林部の熊谷嘉啓・政策推進監らは「事前説明会でも国の事業を導入することも話していた。事業は国の責任で実施した。問題はない」などと回答。2日から中断していた焼却を23日から再開する方針を示したが、住民側は「説明は不十分で再開は反対」と訴えた。
一関市などでは、12年に牧草などの許容値の見直しに伴って、新たに約4925トンの汚染牧草が発生。同センターで14年から焼却している。【和泉清充】
基準値超の汚染牧草焼却 8000ベクレル超含む
2016年5月21日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160521_31055.html東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む廃棄物処理を巡り、環境省と岩手県一関市が2012年から13年にかけて市内の大東清掃センターで、国の基準値を上回る汚染濃度の牧草を燃やしていたことが、20日分かった。市民の反発を受け、市は基準値以下の牧草の混焼を中断している。
放射性物質の濃度が1キログラム当たり8000ベクレルを超える農林業系廃棄物は、原則的に国が指定廃棄物として処理する。市農林部によると、12年2月~13年3月、環境省から受託した実証事業として汚染牧草約1600トンを焼却し、灰を東山清掃センターに埋設した。
焼却前の牧草ロールを測定した結果、最大で1キログラム当たり2万100ベクレルを検出し、1万ベクレルを超えるサンプルも相次いだ。平均値は1660ベクレルだった。
市は、基準値越えの牧草を指定廃棄物とせずに、混ぜる一般ごみの量を増やして燃やした。焼却灰や煙の汚染濃度、最終処分場周辺の空間線量に異常は確認されなかったとしている。
基準値以下の牧草の混焼を来週再開する市の方針に対し、地元住民グループは「詳細な説明がない。事実を隠蔽(いんぺい)した人体実験だ」と反発している。
環境省指定廃棄物対策チームは「8000ベクレル超は福島県内の仮設焼却炉でも処理しており、安全性を丁寧に説明したい」と話した。
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