2016/05/24

福島第1原発事故 飛散微粒子3種類

2016年05月24日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160524/ddm/012/040/029000c

東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムを含む微粒子が3種類あることを、阿部善也・東京理科大講師(分析化学)らの研究グループが突き止め、23日に千葉市であった日本地球惑星科学連合大会で発表した。形状や化学組成が異なっており、事故のメカニズムを知る手がかりになる可能性がある。

微粒子は、(1)直径数マイクロメートルの球形(2)直径数百マイクロメートルで不定形(3)直径数マイクロメートルの不定形で不均質−−の3種類。気象研究所(茨城県つくば市)などの大気粉じんフィルターや福島県内で採取したそれぞれ7〜15個の微粒子を分析し、分類した。(1)は2号機が放射性物質を大量放出した2011年3月15日朝に飛散。(2)は福島県の土壌で見つかり、飛散時期は不明。1号機由来とみられる。(3)は塩素が多く含まれ、炉に注入した海水に由来する可能性があるという。

福島第1原発では溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)がどこにあるかもわかっていない。阿部講師は「微粒子の状態から事故の経過を分析し、詳しく分からない炉内の状況の推測につなげたい」と話している。【酒造唯】

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