2016/05/17

【報道まとめ】森林の空間放射線量調査/福島

森林線量65%減 昨年度県内23年度比 継続調査地点/福島

2016年05月17日 福島民報
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/05/post_13737.html

県は16日、東京電力福島第一原発事故後に調査している県内の森林(民有林)の空間放射線量を公表した。362の継続調査地点で比較すると、平成27年度の平均空間線量は毎時0・32マイクロシーベルトで、事故直後の23年度の0・91マイクロシーベルトから約65%減少した。県は放射性セシウムの自然減衰に伴い、今後も線量の低下が続くとみている。

森林の空間放射線量の変化は【図】の通り。27年度(28年3月1日現在)は1230地点で調査し、平均値は毎時0・46マイクロシーベルトだった。避難指示解除準備区域内137地点の平均値は毎時0・89マイクロシーベルト。国は除染の長期目標を「年間追加被ばく線量1ミリシーベルト(毎時0・23マイクロシーベルト相当)以下」としたが、会津地方と南会津地方は全域で毎時0・23マイクロシーベルト未満だった。

継続調査地点で比較すると27年度の平均値は毎時0・32マイクロシーベルトで、23年8月の調査開始時点に比べ64・8%低減した。24年度は毎時0・62マイクロシーベルト、25年度は毎時0・44マイクロシーベルト、26年度は毎時0・39マイクロシーベルトと年々減少している。

県によると、セシウムの自然減衰率とほぼ一致しており、原発事故から10年後の33年3月には毎時0・28マイクロシーベルト、20年後の43年3月には0・20マイクロシーベルトになると推定している。県森林計画課は「今後も森林の放射線量を把握し、林業の生産活動の目安としたい」としている。

調査は森林内で標準木を選定し、地上1メートルの高さで周辺の空間放射線量を計測した。福島第一原発から80キロ圏外は10キロ四方、圏内は4キロ四方、数値が比較的高い所は1キロ四方で線量分布を地図上に表示した。

■深さ5センチまでの土壌に9割分布 放射性セシウム

林野庁と県は16日、県内の森林内にある放射性セシウムの約9割が地表から深さ約5センチまでの落葉層や土壌に分布していると発表した。

平成27年度に5カ所を抽出して調査した。前年度は約8割が落葉層や土壌にあるとする結果が出ており、葉や枝に付着したセシウムの約1割が落葉などに伴い、1年で林床に移動した計算になるという。

県は土壌の流出を防ぐため、山肌の植生の成長を促す狙いで間伐を行い、土壌流出防止柵を設置する森林再生事業を37市町村で展開する。






森林放射線量3分の1に 362地点

2016年05月17日  読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160516-OYTNT50121.html

県は16日、2015年度の県内の森林の空間放射線量を発表した。継続調査している362地点の今年3月時点の平均値は毎時0・32マイクロ・シーベルトで、11年8月と比べて約3分の1になった。森林内の放射性セシウムはほとんどが土壌と落ち葉に含まれており、県は「土壌を流出させないことが重要」としている。

調査対象は東京電力福島第一原発事故で帰還困難、居住制限区域となった場所を除いた県内の森林。昨年度は15年7月~16年3月に計1230地点を調べた。

継続調査している全地点の平均は11年8月に同0・91マイクロ・シーベルトだったが、その後毎年減少している。放射性セシウムは放射線を出しながら、時間と共に別の物質に変わっていく。県森林計画課によると、これまでの調査による減少率はこの放射性セシウムが別の物質に変わるペースとほぼ同じだという。農林水産省によると、森林内の放射性セシウムは9割以上が土壌と落ち葉に含まれるという。県は、下草がしっかりしていれば土壌流出を防げるとして、間伐を進めるという。


準備区域森林0.89マイクロシーベルト 137カ所平均、前年比低下

2016年05月17日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160517-076539.php
県は16日、県内の森林1230カ所の空間放射線量調査(3月1日現在)の結果を発表、原発事故による避難指示解除準備区域内137カ所の平均値は毎時0.89マイクロシーベルトとなった。前回発表(2015年3月1日時点)の同区域の平均値を0.18マイクロシーベルト下回った。

調査結果は、林業関係者らを対象に福島市で開いた説明会で報告された。県は、同区域をはじめとする県内全体の森林の空間線量が低下傾向にある主な要因について、セシウム134(半減期2年)の減衰の影響が大きいと分析している。居住制限区域と帰還困難区域は調査していない。

同区域の森林調査は南相馬市など9市町村で実施され、空間放射線量の最大値は毎時2.44マイクロシーベルト、最小値は同0.26マイクロシーベルトだった。県森林計画課は「避難指示解除準備区域やその周辺の空間線量が下がってきている」と評価する。

県内全体の平均値は前回発表よりも0.1マイクロシーベルト低下し、同0.46マイクロシーベルトとなった。原発事故が発生した11年8月時点の調査対象となった362地点と同じ地点との比較で約65%低減した。

地区別では相双が同0.15~2.44マイクロシーベルト、県北が同0.06~1.73マイクロシーベルト、いわきが同0.04~1.44マイクロシーベルト。会津と南会津は全ての地点で、昨年に続き、国が長期目標とする年間追加外部被ばく線量の目安となる同0.23マイクロシーベルトを下回った。

調査は各測定地点で標準木を設け、周囲5地点を1メートルの高さで測定し、平均値を出した。

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