2016/05/20

タケノコ出荷を自粛、基準超セシウム 地元で当惑の声 大崎・三本木/宮城

2016年5月20日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160520/ddl/k04/040/095000c

大崎市三本木地区で収穫されたタケノコから国の基準(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出され、県は12日に三本木産タケノコの出荷自粛を要請した。県は東京電力福島第1原発事故の影響とみているが、事故から5年を過ぎての事態に地元から当惑の声が上がっている。

県などによると、基準を超える放射性セシウムが検出されたのは、4月26日に同市三本木の直売所に持ち込まれたタケノコ1本。直売所が販売前に県に送ったタケノコを検査機関で調べたところ、1キロ当たり220ベクレルの放射性セシウムが検出された。

県はこれまでも大崎市産タケノコの検査をしてきたが、「基準を超えた例はなく、それも高い値は出ていない」(林業振興課)という。

大崎市内で昨年、生産されたタケノコは県生産量の13%にあたる12トン。ただ三本木産は少なく、直売所での販売は約200キロで、JAを通じての出荷はなかった。

県は、旧三本木町に範囲を限定した出荷自粛を市などに要請。周辺でタケノコを採取して汚染調査などを進めるとともに、国にも結果を伝えた。直売所は要請を受け、他の生産者が持ち込んだタケノコを返品したという。

県内では原発事故後、基準を超える林産物が見つかり、国や県による出荷制限指示や自粛要請が相次いだ。現在対象となっている林産物はシイタケなど10品目。その多くは12年に判明したもので、最後に基準値超えの林産物が見つかったのは14年の仙台市の野生キノコだった。

県が出荷自粛を公表した後、直売所への問い合わせは1件にとどまっている。運営する会社の幹部は「事故から年月がたち、しかもピンポイントでなぜ検出されたのか不思議」と話している。
【山田研】

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