2016/05/18

【報道まとめ】トモダチ作戦被ばくの元米兵らと小泉元首相が面会。健康被害「見過ごせない」

小泉氏「苦しみ痛感」 トモダチ作戦被ばくの元米兵と面会

2016年5月18日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201605/CK2016051802000253.html

脱原発を唱える小泉純一郎元首相は十七日、東日本大震災後の米軍による支援「トモダチ作戦」に参加した元米兵らとの面会後、当地で記者会見した。元米兵らは福島第一原発事故の影響で被ばくしたとして東京電力などを提訴。小泉氏は「日本を救援した人が病気で苦しんでいることを無視してはいけない。日米両国民に知ってもらわなければと痛感した」と述べた。

小泉氏は十五日から三日間の日程で元米兵やその家族ら計約十人と会い、この日の会見にはうち五人が同席した。小泉氏は「(体の)いろいろな部分が痛んで、除隊を余儀なくされた」と時折涙ぐみながら原告の症状などを説明。「帰国後、心ある人たちと相談し、どのような支援をできるか真剣に考えたい」と述べ、経済界とも連携して支援していく考えを示した。
(カールスバッド(米カリフォルニア州)=東條仁史)



小泉元首相に単独インタビュー「トモダチ作戦で被ばくの元米兵 ひどい健康状態」

2016年5月19日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201605/CK2016051902000153.html

小泉純一郎元首相は十七日、カールスバッドで、東日本大震災後の米軍の被災地支援「トモダチ作戦」に参加した元米兵らとの面会を終え、本紙の単独インタビューに答えた。福島第一原発事故で被ばくしたとして、東京電力などを提訴した元米兵らについて「われ関せず、は日本人にとって不名誉なこと」と支援の必要性を強調。自ら唱える脱原発の実現に向け「思いを新たにした」と決意を語った。

小泉氏は、元兵士らとの面会を決意した理由について「話を聞いて放っておけないと思った。自分が訪米することで日本国民に実態を知ってもらえれば」と話した。元兵士らの健康状態は「腫瘍ができたり、鼻血が出たりひどい状況だ」と懸念を示した。

さらに「元兵士たちは医療費の負担が重い。日本人のトモダチ作戦に対する敬意と感謝の気持ちを、どう形にするかが大事だ」と資金面での支援を検討する考えを表明。「自分一人の力はわずかなものだ。米国で活動している日本企業は黙っていられないだろう」と経済界に幅広く呼び掛けることも明らかにした。

脱原発の必要性にも触れ「(実現には)国民の意識の変化が重要。それが政治を動かす」と民意に訴える姿勢を強調。今後、講演活動などで脱原発、元米兵への支援をセットで主張していく、とした。

一方、今月下旬に広島を訪問するオバマ米大統領が目指す核兵器なき世界に対しては「核廃絶は核大国の責任だが、安全保障が関係してくるから、原発をゼロにすることより難しい」との見解を示した。

小泉氏は十五日から三日間の日程で、元米兵やその家族ら約十人と面会。十七日には記者会見して「元米兵らの実態を日米両国民に知ってほしい」などと呼び掛けた。

<トモダチ作戦> 東日本大震災後、米艦隊が東北沖に派遣され支援物資の輸送などをした救援活動。主力の原子力空母「ロナルド・レーガン」の乗組員8人が2012年12月、放射性物質の危険が正しく伝えられなかったとして、東京電力などに損害賠償を求めて米カリフォルニア州サンディエゴの連邦地裁に提訴。原告弁護士によると、これまでに白血病などで7人が死亡し、原告は約400人に増えた。(カールスバッド(米カリフォルニア州)=東條仁史)



小泉元首相が「トモダチ作戦」の米兵らと面会 米兵らは東電相手取り訴訟起こす

2016年5月18日 産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/news/160518/plt1605180027-n1.html

小泉純一郎元首相は米カリフォルニア州サンディエゴ近郊で17日、東日本大震災の被災地を支援する「トモダチ作戦」の活動中に東京電力福島第1原発事故で被曝(ひばく)したとして、東電などを相手取り、損害賠償を求めて米国で訴訟を起こした米原子力空母「ロナルド・レーガン」の乗組員らと面会した。

原告らは東電などが事故で放出された放射性物質の危険などについて情報を伝えなかったとして2012年に提訴。会見した小泉氏は「(原告らに対し)何ができるか考えるべきだ」などと話した。(カールズバッド 中村将)

東京電力を相手に訴訟を起こしている元米兵(右側)らの
話を聞く小泉元首相(中央)=17日、米カールスバッド(共同)



小泉元総理『被ばくの元米兵らの支援を』

2016年5月18日 テレビ朝日
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000075101.html

アメリカ・カリフォルニア州を訪れた小泉元総理は17日、東日本大震災の被災地支援で「トモダチ作戦」に参加した元アメリカ兵らと面会し、病状などを聞いた。元兵士らは、福島で原発事故が起きている最中に東北沖で活動を続け、作戦のあとに健康状況が悪くなったという。面会後、会見を行った小泉元総理は、「肉体的のみならず、精神的にも悩んでいる状況がうかがえた。何かをしなければいけないと痛感している」と涙を流しながら語った。元兵士らは、「東京電力が正しい情報を示さず、被ばくした」と訴訟を起こしている。現在、原告は400人を超えていて、救済基金の設立を求めている。



小泉元首相、元米兵への支援訴え 「被災地支援で被曝」

2016年5月18日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H1N_Y6A510C1CR0000/

小泉純一郎元首相は17日、米カリフォルニア州南部カールスバッドで記者会見し、東日本大震災の被災地への支援活動「トモダチ作戦」で被曝(ひばく)したと訴える元米兵らへの認知と支援を訴えた。さらに「大半の原発が停止しても日本経済は維持できている。原発ゼロ社会は可能」と持論を訴えた。

会見に先立ち小泉元首相は元米兵らと面会、症状などの説明を聞いた。小泉元首相が「日本に何かできることはあるか」と尋ねたところ、元米兵らは黙ったままだったという。米空母「ロナルド・レーガン」の乗組員だったベント・セレンタス氏は「元首相のような地位の高い人が来て我々の声に耳を傾けてくれるのはうれしい」と語った。

元米兵らは2012年、東京電力を相手取り損害賠償を求める訴訟を連邦地裁に起こした。福島第一原子力発電所事故で被曝し、健康被害が出ているとして医療検査・治療のための10億ドル(約1090億円)の基金設立などを求めている。「レーガン」は11年の震災後、救援活動で福島沖に派遣されていた。

米国防総省は14年の米議会への報告書で、乗組員の被曝量は健康被害が出るほどではなかったと結論づけている。(カールスバッド(米カリフォルニア州)=兼松雄一郎)




「トモダチ作戦で被ばく」小泉氏が米軍元兵士支援の考え

2016年5月18日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160518/k10010525451000.html

 アメリカを訪れている小泉元総理大臣は、東日本大震災の救援活動の際に福島第一原子力発電所の事故で被ばくしたとして東京電力などに損害賠償を求めているアメリカ軍の元兵士たちと面会し、今後、支援をしていく考えを示しました。


東日本大震災でアメリカ軍は「トモダチ作戦」と名付けた大規模な救援活動を行いましたが、活動に当たった元兵士らおよそ400人が、福島第一原子力発電所の事故で被ばくし、健康に影響が出ているとして、東京電力などに損害賠償を求める訴えをアメリカの裁判所に起こしています。

小泉元総理大臣は17日、アメリカ西部カリフォルニア州で訴えを起こしている元兵士らと面会し、当時の様子や現在の健康状態などについて話を聞きました。

面会のあと行った記者会見で、小泉氏は「話を聞いて『気の毒だな』と思うだけではすまない、見過ごすことができないことだと感じた。これからどのような支援ができるか考えていきたい」と述べ、今後、元兵士たちを支援していく考えを示しました。そのうえで、小泉氏は「原発はひとたび事故が起これば取り返しのつかないことになる」と指摘したうえで、原発の再稼働について、「日本政府は再稼働しようと、事故前よりも厳しい基準を作ったと言っているが、テロ対策はぜい弱だし、住民の避難計画ひとつとっても十分だとは言えない」と述べ、政府の対応を批判しました。



小泉氏が涙 トモダチ作戦の健康被害「見過ごせない」

2016年5月18日 朝日新聞デジタル
http://digital.asahi.com/articles/ASJ5K354LJ5KPTIL00B.html?rm=362 

東日本大震災の「トモダチ作戦」に従事し、福島第一原発沖で被曝(ひばく)したとして、東京電力側を相手に集団訴訟を起こした米海軍の元兵士らが400人に達した。「原発ゼロ」を唱える小泉純一郎元首相(74)が訪米して健康被害の訴えに耳を傾け、「見過ごせない」と涙を流した。

小泉氏は訴訟支援者の求めに応じ、15日から原告の元兵士ら10人と面会。窮状を聞き、17日(日本時間18日)に現地で記者会見を開いた。「救援活動に全力を尽くしてくれた米国の兵士たちが重い病に苦しんでいる。見過ごすことはできない」。感極まって泣き、訴えた。「原発推進論者も反対論者も、何ができるか共同で考えることだ」

また、オバマ米大統領の広島訪問の意義に触れ、「核兵器の削減、廃絶にどうつなげていくかが大事だ」と指摘。「原発も原爆もゼロに」と呼びかけた。

原子力空母ロナルド・レーガン艦載機の整備士だったセオドア・ホルコムさんは作戦中、放射線を浴びたヘリコプターの除染などにあたった。その後、骨膜肉腫を発症し、2014年に35歳で死去。退役軍人省による放射線と病気との因果関係の調査はその死後、打ち切られたという。原告代理人を務める元海軍のマヌエル・レスリーさん(41)は「死んだ親友のために、真実を明らかにしたい」。
甲板員だったロン・ライトさん(26)は作業後に船内へ戻る際、高線量の放射線が検出され、衣類を脱がされたという。作戦の途中から睾丸(こうがん)が肥大して痛んだ。帰国後、手術を4度受けたが鎮痛剤や睡眠薬が手放せない。軍医からは「放射能とは無関係」と言われた。「防護服や安定ヨウ素剤は与えられなかった。放射線について、まったく無知だった」と振り返る。

航海日誌や元乗組員らの証言によると、作戦中に原発事故で発生した放射性プルーム(雲)の下で強い放射線を浴び、汚染された海水(脱塩水)を飲食やシャワーに使って内部被曝した可能性がある。しかし、米国防総省は14年に公表した報告書で、被曝は「極めて低線量」として健康被害との因果関係を否定した。

原告の多くは医療費の補償もない。弁護団のポール・ガーナー弁護士は「見捨てられたトモダチが米国にいることを日本のみなさんに知ってほしい」と話す。

東京電力ホールディングス広報室は取材に「訴訟に関しては回答を差し控える。手続きにのっとり適切に対処する」としている。(カールスバッド〈米カリフォルニア州〉=田井中雅人、平山亜理)

〈トモダチ作戦と集団訴訟〉 東日本大震災を受け、米軍は西太平洋を航行中の原子力空母ロナルド・レーガン(乗組員約5千人)を東北沖へ急きょ派遣。横須賀、佐世保基地の艦船や沖縄の海兵隊も参加し、救援活動「トモダチ作戦」を展開した。レーガンの元乗組員ら8人は翌年、東電が正しい情報を出さなかったため被曝したとして米連邦地裁に提訴し、10億ドル(約1100億円)の救済基金設立を要求。原告はその後400人に増え、これまでに6人ががんや白血病などで死亡。東電側は「政治的問題。裁判になじまない」と訴えの却下を求めている。


《福島原発事故時に原子力委員会委員長代理を務めた鈴木達治郎・長崎大学核兵器廃絶研究センター長の話》 被曝と健康被害の因果関係が認められなくても、避難や失業など原発事故がなければ起きなかったであろう被害は、福島でも一定の賠償が認められている。科学的実証は難しいだろうが、東電は被害を訴える人に寄り添う姿勢を見せるのも大事ではないか。精神的な負担も大きいと思う。

元米兵らに思いを寄せ、感極まって涙を流す小泉純一郎元首相
=カールスバッド、平山亜理撮影



小泉純一郎氏、震災被曝主張の元米兵ら支援表明

2016年05月19日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160519-OYT1T50011.html

米国を訪れている小泉純一郎元首相は17日、カリフォルニア州南部カールスバッドで、東日本大震災の被災地支援で被曝ひばくしたと主張している米軍の元兵士らと面会した。

元米兵らは、福島第一原発事故で被曝したとして、東京電力などを相手に損害賠償を求める訴訟を米連邦地裁に起こしている。小泉氏は面会後の記者会見で元米兵らを支援する考えを表明した。
【カールスバッド(米カリフォルニア州)=田原徳容】

0 件のコメント:

コメントを投稿