2016/05/22

【報道まとめ】福島・楢葉町/避難指示解除で6年ぶりの田植え

6年ぶりの田植え 避難指示解除で

2016年5月20日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160520/k00/00e/040/148000c

東京電力福島第1原発事故の避難指示が昨年9月に解除された福島県楢葉町で6年ぶりに本格的なコメの栽培が再開され、佐藤充男(みつお)さん(71)ら上繁岡地区の農家6戸が20日、復興工事車両が行き交う国道6号近くの水田約2ヘクタールで田植えをした。「仲間がいたからここまで来られた」と、喜びをかみしめた。

同地区は原発から15キロ以内。佐藤さんは水田と繁殖牛8頭を残して避難し、県外をへていわき市の借り上げ住宅で暮らした。「せっかく除染した農地を荒れさせては、地区に戻る人はなくなる」。事故翌年から楢葉に通い、牛の飼育仲間と試験・実証栽培や草刈りを続けた。4年間、基準を超える放射性物質は検出されず、販売目的の栽培にこぎ着けた。

しかし、喜び以上に悩みも多いという。「以前は無農薬栽培していた。今は努力しても、楢葉のコメだと言ったら、喜んで買う人はいない」と、収穫の半分は飼料用にする。住民不在の間に出没するようになったイノシシ対策も頭が痛い。

4月28日現在、楢葉町に戻った住民は6.8%。町によると、原発事故前のコメの栽培面積410ヘクタールのうち、再開したのは20ヘクタール。佐藤さん自身、傷んだ自宅を建て直し今月帰ったばかりで、町外の仮設住宅から通う仲間もいる。「農業で暮らせることを示せば『俺もやっぺ』という人も出てくる」と、農村の再生へ踏ん張り続ける覚悟だ。(乾達)

田植えの作業に励む佐藤さん=
福島県楢葉町で2016年5月20日、乾達撮影



避難指示解除の福島 楢葉町で6年ぶりの田植え

2016年5月20日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160520/k10010528181000.html

去年9月に原発事故による避難指示が解除された福島県の楢葉町で、6年ぶりに田植えが行われました。去年9月に避難指示が解除された楢葉町では、これまでの実証栽培などを通じて安全性が確認されたため、ことし3月に国による出荷制限が解除され、6年ぶりにコメ作りができるようになりました。

このうち北部の上繁岡地区では10人ほどの農家のグループが4ヘクタール余りの水田でコメ作りを再開し、20日、原発事故のあと初めて、田植えを行いました。農家の人たちは放射性物質の吸収を抑える効果がある肥料をまいた水田に機械を使って自分たちで育てた苗を植えていきました。20日に植えた稲は10月ごろ刈り取る予定で、収穫したコメはすべて放射性物質の検査をしたうえで出荷されるということです。

かつて農業が盛んだった楢葉町では、帰還した住民が1割に満たず、担い手の不足や作ったコメへの風評の心配から、ことし作付けが計画されているのは事故の前の30分の1の20ヘクタールにとどまっています。農家のグループの佐藤充男会長は「まずは一歩、踏み出したところです。不安も大きいですが、次に続く人が出てくれることを願っています」と話していました。




楢葉で6年ぶり作付け 丸川環境相も参加

2016年05月22日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160521-OYTNT50220.html

楢葉町で6年ぶりに本格的な米作りが再開され、21日、同町上繁岡の水田で丸川環境相が田植えに参加した。東京電力福島第一原発事故で2011年は作付けできず、12~15年は再開に向けた試験栽培や実証栽培にとどまっていた。今年3月に出荷制限が解除され、本格栽培が可能になった。

この日は、地元農家ら約10人に丸川環境相らが加わり、トラクターや手で県のブランド米「天のつぶ」の苗を植えた。丸川環境相は「県内外に楢葉の農産物をアピールしたい」と話し、地元農家の佐藤充男さん(71)は「大きな一歩です」と喜んでいた。10月頃に収穫し、放射性物質濃度の検査で国の規制値を下回ったものが出荷される。

町によると、原発事故前の作付面積は約410ヘクタールだったが、町に戻った町民は約7400人のうち500人余りで、今年は約20ヘクタールとなる見込みだという。

田植えに参加した丸川環境相(左) 

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