2015/08/07
福島第1原発事故 県内から広島への避難者「消えない不安は共通」 被爆者に心寄せ 平和記念公園 /福島
2015年8月7日 毎日新聞
http://sp.mainichi.jp/area/fukushima/news/20150807ddlk07040173000c.html
「不安と向き合い続けなければいけない」。福島第1原発事故で福島県から広島県に避難した住民は、事故による被ばくの不安を抱えながら、被爆地に思いを巡らせた。
「被爆者の気持ちが少しだけ分かるようになった」。中通り地方から避難してきた50代の女性は原発事故まで「放射線被ばくの問題を何も知らなかった」。事故直後、近所の人が県外へ避難したと聞き、自らも2012年1月、かつて暮らしたことがあるこの地に来た。
放射線の影響について調べる日々を送り、現在は子ども2人と暮らす。被爆地・広島について「原爆による人体への影響や差別など人ごとではない」と語った。
郡山市から広島市へ避難した弁護士、石森雄一郎さん(36)は6日朝、同市の平和記念公園を訪れ、式典会場に備え付けられた献花台の前で手を合わせた。
事故発生当時、妊娠中だった妻の後を追い、13年4月に避難。移り住んでみると、原爆投下後に爆心地近くに入って残留放射線を浴び、現在も影響が出ないか心配しながら暮らす人がいることを知った。
「いつまでも消えない不安と向き合わなければいけないという点で福島の人間と共通するかもしれない」と、石森さんは被爆者に心を寄せた。福島県の避難者数は事故から4年以上たった現在も約11万人に上る。うち、約200人が広島県に避難している。
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