南相馬市の避難指示解除 来月中旬に説明会／福島

2016年4月5日　毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160405/ddl/k07/040/009000c

南相馬市の桜井勝延市長は４日の定例記者会見で、国による避難区域の指示解除（帰還困難区域を除く）の日程を示す住民説明会を５月第２週以降に計４回開く方針を示した。市長が解除の条件に加えた生活廃棄物やがれきなどの「片づけごみ」の回収が、同月上旬に終わるとの見通しが１日に国から示されたという。

桜井市長は、５月の説明会で避難指示解除の具体的な日程を示すとしながらも「最終的な決定には、議会などとの調整も必要になる」と述べ、説明会から一定期間を経ての解除になるとの認識を表明。一方、「相馬野馬追はできるだけ頭の隅に置いておきたい」と語り、７月下旬にある地域の伝統行事の前に解除する日程を想定していることを示唆した。

国は２月の住民説明会で生活圏の除染が終了することを前提に、市が当初目標に掲げた４月中に避難指示を解除する方針を示した。除染については、住宅解体後の作業を希望する世帯などを除き３月末までに終了したと国は説明している。だが桜井市長が新たに片づけごみの回収を求めて条件を引き上げたことで、当初方針を撤回せざるを得なくなった。

５月の住民説明会について、桜井市長は国の原子力災害現地対策本部長である高木陽介・副経済産業相に出席を求めていることも明らかにした。国会開会中であることを勘案すれば、住民説明会の日程自体もずれこむ可能性があり、避難指示解除の日程は最短でも６月以降になる見通しだ。【大塚卓也】