2016/05/01

都路の吉田水産 川魚の出荷再開 「連休中ぜひ食べて」

(安全性にも精一杯気を配り、生業を営む農林水産業の事業者もいて、そうした方々の思いは理解できるし、努力や研究によって安全性の確保が可能な部分もあると思います。ただ、すべてを「風評」と言い換えることで、「買って食べて応援」を強化する一方、測定の厳格化と公表を伴わない国と福島県の方向性には、納得できません。この記事でも「検出下限値未満」とは書いてあるものの、具体的な数値は書いていないので調べてみたところ、「ふくしま新発売」にこの地域の養殖ヤマメの数値のみですがありました。 子ども全国ネット) 

2016年5月1日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016050130690

田村市都路町の川魚卸業「吉田水産」は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故以来、5年ぶりにイワナやヤマメ、ニジマスの出荷を再開した。三代目の吉田栄光(えいみつ)さん(36)は「大型連休中にぜひ安全でおいしい都路産の川魚を食べてほしい」と期待を寄せている。

吉田水産は昭和39年、旧都路村岩井沢で創業した。事業所本店近くに加工場、都路町古道に東古道と小滝沢の両養魚施設(事業所)を設け、川魚を養殖・販売していた。震災前の生産量は年間約40トン。活魚や稚魚、加工品合わせて約400万匹を出荷していた。

東古道と小滝沢の養魚施設は福島第一原発から約15キロ。原発事故後に警戒区域となり立ち入りできなくなった。水の管理や餌を与えることができず、育てていた魚約60万匹は全て死んでしまった。地震でコンクリート製の養殖施設も壊れた。

栄光さんは震災後、2年半ほど会社員として働いたが、違う職種を経験し、内水面養殖業のやりがいや楽しさを改めて感じた。「再開には高額な費用が掛かる。風評で魚が売れるかも分からない」。再開と廃業で葛藤する中、県のグループ補助金で再建費用が助成されると知り、背中を押された。都路町東部の避難指示が解除された平成26年4月、営業再開を決意した。

27年8月に東古道と小滝沢に新たな養魚施設を完成させた。程なくイワナやヤマメ、ニジマス合わせて約90万匹の養殖を始めた。月1回程度の川魚の放射性物質検査は全て検出下限値未満で、今年4月から本格的な出荷を始めた。

地元の都路町商工会青年部は今年からイワナの出張つかみ取りを展開して「都路」の名前を発信する計画を進めている。商工会青年部長も務めている栄光さんは「風評に負けず震災前の売り上げに戻したい。地元・都路にも貢献できればうれしい」と充実した日々を送っている。

吉田水産のイワナやヤマメは田村市滝根町の入水鍾乳洞つりぼりセンターなどで味わえる。問い合わせは同社 電話0247(75)3189へ。

※内水面漁業
河川や池などの淡水で行われる漁業で、淡水生物の養殖を内水面養殖業という。現在、ホンモロコ(川内村)、ドジョウ(郡山市)を除く県内の全ての養殖魚は出荷制限を受けていない。県内の内水面養殖業の収穫量は平成22年度が1615トン。震災直後の23年度は1181トンに減少したが、26年度は1351トンと徐々に回復している。川内村の観光施設「いわなの郷」は25年6月に再開し、養殖したイワナの釣りが体験できる。一方、天然のサケやワカサギ、アユなどの内水面漁業生産量は22年度が372トンあったが、23年度から26年度まで20トン台で推移している。27年10月に楢葉町の木戸川でサケ漁、28年4月に金山町の沼尻湖でヒメマス漁が再開するなど漁獲量が増える見通し。

田村市都路町で川魚の養殖を再開した吉田さん。
大型連休に入り出荷作業に追われている

「ふくしま新発売」より
http://www.new-fukushima.jp/monitoring/result.php





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