2016/04/03

【報道まとめ】福島/県発表、87か所の川の土砂、最大54500ベクレルも。17の川で取り除く工事。

川底の汚染土砂除去へ…県、17か所/福島
2016年04月01日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160331-OYTNT50151.html

県は31日、伊達市の東根川や大玉村の百日川など17の川で、5月から川底にたまった土砂を取り除く工事を始めると発表した。東京電力福島第一原発事故の放射性物質が含まれており、大雨などで流れ出る危険がある。たまった量が多い場所を選んだという。一部は建設資材への再利用などが認められる基準を超えており、取り除いた後は専用の置き場で保管し、国と処分について協議する。

土砂の放射性物質濃度は1キロ・グラム当たり24~1万543ベクレルで、国に対応を求めていたが拒まれたという。工事を実施する17の川を含め、中通りと浜通りの72河川計87か所の土砂を調べると、最大で前田川(双葉町)は同5万4500ベクレル、蛭川(福島市)は同3万9620ベクレルなど、1キロ・グラムあたりの濃度が1万ベクレルを超えた地点が7か所あった。今回はたまった量が多い1か所を工事の対象にした。



最大は双葉・前田川5万4500ベクレル 河川堆積土砂調査


県は31日、中通り、浜通り21市町村の72河川、87カ所に堆積した土砂の放射性セシウムの濃度と表面線量を初めて公表した。

87カ所については、県の河川パトロールなどで比較的高い放射線量が確認された。セシウム濃度は、土砂の水分量を差し引いた「乾泥」の値として推計した。最大値は双葉町新山地区の前田川で1キロ当たり5万4500ベクレル。焼却灰や下水汚泥などを国が「指定廃棄物」として処理する放射性セシウム濃度の基準1キロ当たり8000ベクレルの約6.8倍だった。

表面線量の最大値は双葉町松迫地区の松迫川で毎時4.12マイクロシーベルト。2地区はいずれも避難区域。

17カ所5~7月除去 氾濫危険性高く
県が、堆積した土砂の放射性セシウムなどを公表した21市町村の72河川、87カ所のうち、17河川、17カ所については土砂の堆積量が多く、洪水時に氾濫の危険性が高いとして5~7月をめどに除去する。

除去作業を行う17カ所のうち3カ所の土砂は、再利用する上で国が定めた基準の「表面線量毎時0.23マイクロシーベルト」を超えるため、県が保管場を設けて管理する。このほか14カ所の土砂は基準未満のため、ほとんどは公共事業で再利用する。残り70カ所については、土砂の堆積状況を見ながら除去に備える。

河川の除染について環境省は、生活圏の空間線量が高くなる場合を除き原則、除染しない方針を示しており、土砂の除去は進んでいなかった。「除去した土砂の放射線量が高かった場合、処理に困る」(河川整備課)としている。

しかし、昨年9月の関東・東北豪雨で河川の土砂が堆積し、さらなる豪雨によって河川が氾濫する危険性が増したため、県が独自の対応を検討した。土砂の除去費用は、5000万~1億円を見込んでいる。



県、72河川土砂除去へ 中・浜通り比較的線量高い箇所
2016年4月1日 福島民報



県で管理する河川で大量の土砂が堆積している問題で、県は調査で比較的放射線量が高いと判明した中・浜通りの72河川、計87カ所で土砂を除去する。このうち増水による洪水の危険性が高い17河川、17カ所を5月に先行実施する。残る河川でも順次、作業を進める。

県は1月から3月にかけて除去に向け、土砂の表面線量と放射性セシウムの値を調べた。除去作業に着手する河川と表面線量、放射性セシウム濃度は【表】の通り。川底から川面までの間に土砂が2割以上を占める中通りの6カ所、浜通りの11カ所で5月から優先して作業に入り、7月までに完了させる方針。民家や学校が近い地点もあり、氾濫した場合に被害が大きくなる可能性があるため先行して取り組む。

放射線量が比較的高い県管理河川の土砂の除去作業について国は財政支援の対象外としている。県は全国で豪雨災害が頻発している状況を考慮し早急な対応が必要と判断した。




東電に費用請求 河川土砂除去 県が方針転換
2016年4月1日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016040129997

放射線量が比較的高い県管理河川の土砂除去で、県は国の基準を超える河川の土や砂の保管場所の確保などの対策を進める。安全対策などで費用がかさむ見通しで国への財政支援を求める方針を転換し、東京電力に賠償を請求する。

工事で発生した土砂など「建設副産物」の取り扱いについて国は放射線量が毎時0・23マイクロシーベルトを超えた土砂の保管を義務付けている。県管理河川は山あいを流れ、川幅が狭いところも多く、土砂がたまりやすくなる。優先的に土砂を取り除く17河川のうち、土砂の空間線量が基準値超となったのは伊達市霊山町上小国の上小国川の毎時0・73マイクロシーベルト、伊達市保原町富沢の東根川の毎時1・03マイクロシーベルト、飯舘村飯樋の飯樋川の毎時0・55マイクロシーベルト。県は保管場所を新設し、除去した土砂をフレコンバッグなどに入れて厳重に管理する。
 
県によると、土砂の撤去は通常、1カ所当たり400万円~500万円掛かる。ただ、作業員の安全対策、機材の確保などに向けて先行実施する河川だけでも最大で1億円程度掛かると見込んでいる。
 
県は財政支援を求めてきた国と協議した結果、東電への賠償の対象になると判断。当面は自主財源で対応するが、最終的に東電に支払いを求める考えだ。



福島県、高線量堆積土砂撤去を来月開始

2016年04月03日 河北新報

福島県は、東京電力福島第1原発事故で県内の河川に堆積した放射線量の高い土砂の撤去工事を5月に始める。洪水時に流出の危険が高い17河川の17カ所を対象に、出水期に入る7月ごろまでの完了を目指す。

県によると、工事対象のうち3カ所は、表面の空間放射線量が除染の目安となる毎時0.23マイクロシーベルトを超えるため、県は表面から30センチまでは県管理の土砂置き場などで保管。それより深い部分や他の14カ所の土砂は、公共事業での再利用など通常方法で処分する。費用は5000万~6000万円を見込む。
 
県は1~2月、河川敷などの空間放射線量が高かった中・浜通り21市町村の72河川で、土砂のサンプル調査を実施。堆積を確認した87カ所のうち、河川の断面積の2割を超えるなど堆積量が多い地点について流出の危険が高いとみて、撤去を優先することにした。
 
対象外の場所にも高濃度の土砂はあり、相沢広志河川整備課長は「今後の堆積状況を見ながら適切な対策を講じる」と話す。

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