2016/05/09

【報道まとめ】福島/「こどもと震災復興 国際シンポジウム」7日、8日開催

放射線データや知見、世界に発信 
7日から相馬で国際シンポ

2016年05月07日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160507-071730.php 

相馬地方の医師や国内外の有識者が放射線のデータ・知見を世界に発信する「こどもと震災復興 国際シンポジウム」は7日午後0時30分、相馬市民会館で開幕する。東京電力福島第1原発事故後に実証した知識を示し、本県の現状を正しく伝える。8日まで。

相馬地方市町村会の主催、世界保健機関(WHO)の共催、日本医師会の特別後援、福島民友新聞社などの後援。7日は「こどもと震災復興」、8日は「放射線の健康影響」「震災・原発事故の社会的影響」をテーマに計16人が研究報告する。

8日の研究報告後、基調講演に続いてパネルディスカッションを行う。立谷秀清相馬市長や桜井勝延南相馬市長、医師、WHOや国際原子力機関(IAEA)の関係者が登壇し、原発事故後の対策と今後の指針などについて議論を深める。シンポジウムは両日とも無料で一般公開する。


こどもと復興シンポ、相馬で開幕 地域分裂の懸念強く 首長報告 /福島

2016年5月8日 地方版  毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160508/ddl/k07/040/027000c

東日本大震災と福島第1原事故からの復興や医療現場での取り組みなどを紹介する「こどもと震災復興」国際シンポジウムが7日、相馬市で開幕した。被災自治体のほか、医療現場で放射線と子どもへの健康影響などのデータを積み上げてきた医師など多くの関係者が参加し、5年間の経験と知見を次世代に引き継ぐことを目的に議論を交わす。8日まで。

初日は被災自治体から菅野典雄飯舘村長、桜井勝延南相馬市長、加藤憲郎新地町長、立谷秀清相馬市長の4人による被災地の現状報告などがあった。

菅野村長は、若い世代や子どもが村に戻らず、放射線量や賠償金の違いで住民の心の分断が進んだのが原発事故の特殊性だと指摘。避難区域は「ゼロからのスタートではなく、ゼロに向かってのスタートだ」と復興の困難さを強調した。また「エネルギーを多く使い、星空が見えない町を増やしていくことが本当に幸せなのか」と問いかけ、「成長至上主義」を見直すよう訴えた。

桜井市長も「原発事故で家族も地域もばらばらになり、コミュニティーがなくなってしまった」と総括。「我々が得た教訓は今忘れられようとしているのではないか」と述べ、原発再稼働の動きなどを批判した。

シンポ開催を主導した立谷市長は、相馬市が熊本地震の被災地で2自治体を支援し、住民一人一人の置かれた状況などをデータ化し、きめ細かな支援につなげている事例を報告。「データ化の取り組みが被災地全体に広がっていけばいい」と語った。【大塚卓也】




がん死亡率「震災後増えず」 震災・原発事故後の健康影響調査
2016年05月08日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160508-071845.php 

震災と原発事故後の南相馬、相馬両市民への健康影響について、相馬中央病院などの研究チームが震災後5年間のがんによる死亡率を調査し、震災前と比べて増加傾向はみられなかったとする結果をまとめた。

7日、相馬市で開幕した「こどもと震災復興国際シンポジウム」で、同病院の森田知宏医師が結果を示し「(原発事故の被災地では)放射性物質が降り注いでがん患者が増えたとの声もあるが、研究結果からはがんで亡くなった人は増えていない」と説明した。

研究チームは厚生労働省の人口動態統計などを利用し、2006(平成18)~14年の年ごとのがんによる死亡者数などを比較した。10万人当たりのがん死亡率は06年が男性184人、女性100人だったのに対し、14年は男性166人、女性86人と震災前より減少。がんを含む全ての死亡率では、06年は10万人当たり男性599人、女性329人なのに対し、14年は男性523人、女性302人だった。どちらも医療の発達などにより死亡率が低下したと分析している。



「震災直後に高齢者死亡率増」…相馬でシンポ
2016年05月08日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160507-OYTNT50213.html

復興のあり方や放射線から子供を守る方法などを考える「こどもと震災復興国際シンポジウム」が7日、相馬市の市民会館で始まった。これまで復興に関わってきた人や地元住民など約700人が出席した。

相馬中央病院(相馬市)に勤務する森田知宏医師は、東日本大震災直後の1か月間、震災前と比較して75歳以上の高齢者の死亡率が約1・5倍に上っていたことを報告した。厚生労働省の人口動態統計を使い、相馬市と南相馬市の死亡者数などを比較した。死因は男女とも「肺炎」が約3割を占めており、森田医師は「高齢者の震災関連死が災害発生から1か月程度高まる可能性がある」と指摘し、口腔こうくうケアなど肺炎予防対策の必要性を訴えた。
このほか、相馬、南相馬、新地、飯舘の4市町村長が復興の現状を報告した。8日は放射線の影響に関する研究報告などを行う。



こどもと復興シンポ、相馬で開幕 地域分裂の懸念強く 首長報告 /福島
2016年5月8日 地方版 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160508/ddl/k07/040/027000c

東日本大震災と福島第1原事故からの復興や医療現場での取り組みなどを紹介する「こどもと震災復興」国際シンポジウムが7日、相馬市で開幕した。被災自治体のほか、医療現場で放射線と子どもへの健康影響などのデータを積み上げてきた医師など多くの関係者が参加し、5年間の経験と知見を次世代に引き継ぐことを目的に議論を交わす。8日まで。

初日は被災自治体から菅野典雄飯舘村長、桜井勝延南相馬市長、加藤憲郎新地町長、立谷秀清相馬市長の4人による被災地の現状報告などがあった。

菅野村長は、若い世代や子どもが村に戻らず、放射線量や賠償金の違いで住民の心の分断が進んだのが原発事故の特殊性だと指摘。避難区域は「ゼロからのスタートではなく、ゼロに向かってのスタートだ」と復興の困難さを強調した。また「エネルギーを多く使い、星空が見えない町を増やしていくことが本当に幸せなのか」と問いかけ、「成長至上主義」を見直すよう訴えた。

桜井市長も「原発事故で家族も地域もばらばらになり、コミュニティーがなくなってしまった」と総括。「我々が得た教訓は今忘れられようとしているのではないか」と述べ、原発再稼働の動きなどを批判した。

シンポ開催を主導した立谷市長は、相馬市が熊本地震の被災地で2自治体を支援し、住民一人一人の置かれた状況などをデータ化し、きめ細かな支援につなげている事例を報告。「データ化の取り組みが被災地全体に広がっていけばいい」と語った。【大塚卓也】



原発事故の影響探る 相馬で震災シンポ開幕
2016年05月08日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160508_63035.html

東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響などを探るシンポジウム「こどもと震災復興」が7日、相馬市の市民会館で2日間の日程で始まった。国内外の医師、研究者ら約30人が健康調査の経過、被災者支援策などを報告する。
 
初日は10人が登壇した。相馬市の医師森田知宏さん(28)は被災地で行っている死亡率調査について説明。「がんを含めた死亡率に変化はないが、高齢者の孤立が懸念される。病気の早期発見のためにも、地域社会の再生が急務になる」と語った。
 
シンポジウムは相馬地方市町村会が主催した。8日は放射線の健康影響などをテーマにした討論会、研究報告が予定されている。
医師らが震災関連の研究結果などを報告した









震災直後に「肺炎」増加 森田医師、口腔ケアの必要性指摘
2016年05月08日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160508-071868.php

相馬中央病院の森田知宏医師は、南相馬、相馬両市で東日本大震災発生からの1カ月、75歳以上の死亡率が震災前の水準に比べて約1.5倍(死者131人)に増えたとする研究結果を公表した。肺炎の死者数の増加が要因と分析、森田氏は「高齢者の肺炎予防対策として、避難所などでの口腔(こうくう)ケアが重要だ」と説明した。

森田氏らが所属する研究チームが調査。厚生労働省の人口動態統計などを基に、2006(平成18)年から14年までの、3月11日から4月10日の1カ月間の死者数(津波による死者数を除く)を比較するとともに死因を分析した。

研究結果によると、震災後1カ月間の75歳以上の死因について肺炎は男性33.3%(20人)、女性33.8%(24人)を占めた。06~10年は男女計20人程度で推移しており、震災後に突出して多いことが分かった。

肺炎の死者数が増えた理由について森田氏は口の中をきれいにしたり、口を動かす運動などをする口腔ケアについて言及し、「避難などに伴い、従来、介護士などから受けていた口腔ケアが十分にできなくなった可能性がある」と指摘。その上で「高齢者のコミュニティーづくりをサポートし、健康対策につなげることが大切だ」と述べた。


震災後1カ月で高齢者の死亡増加、肺炎が目立つ
2016/5/8  日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08H61_Y6A500C1CR8000/

東日本大震災後の1カ月間に、福島県相馬市と南相馬市で津波や地震の揺れ以外の要因で死亡した75歳以上の高齢者が、震災前の同時期の約1.5倍に増え、特に肺炎で亡くなるケースが目立ったとする調査結果を、相馬中央病院(相馬市)の森田知宏医師(内科)らのグループが8日までにまとめた。

森田医師は「避難に伴い介護が必要な高齢者が口腔(こうくう)ケアを受けられなくなり、口の中の細菌が肺に入って引き起こす誤嚥(ごえん)性肺炎による死者が増えたと考えられる。熊本地震の被災者も注意が必要だ」と話している。

グループは厚生労働省の人口動態統計を使い、津波や地震の揺れで亡くなった人を除いた死者数や死因を調べた。

その結果、震災直後の2011年3月11日~4月10日の死亡率は、06~10年の同じ期間の平均と比べ男性で1.52倍、女性で1.35倍に増加していた。特に高齢者の死亡率が上がっており、85歳以上の男性は1.64倍、女性は1.45倍だった。

さらに、11年3~4月に亡くなった165人のうち、死因が肺炎だったのは47人と判明。うち75歳以上が44人で、9割以上を占めていた。震災前は同じ期間の肺炎による死者は20人程度だった。

一方、相馬市と南相馬市のがんによる死亡率は震災前後で目立った変化がなく、現時点で東京電力福島第1原発事故による被曝(ひばく)の影響は見られないとしている。
〔共同〕



5年の歩み...復興の現状・課題報告 相馬で「復興シンポジウム」
2016年05月08日  福島民友  
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160508-071865.php

相馬市で7日開幕した「こどもと震災復興国際シンポジウム」では、相馬地方の4市町村長が復興の現状を報告した。また、被災地で復興支援などに取り組んできた団体や研究活動を続けている医師らが成果や課題を紹介、震災後の5年間の歩みを発信した。シンポジウムは8日まで。

相馬地方の4市町村長は、震災と原発事故後の対応や現状、課題について報告した。

全域が避難区域に指定されている飯舘村の菅野典雄村長は、長期対応が必要で心の分断が起きる原発事故の特殊性を強調し「若い人が帰らないのが一番の問題」と訴えた。一方「震災を機に生まれたつながりを今後につなげたい」と話した。

南相馬市の桜井勝延市長は「市内の子どもの内部被ばく検査では99.97%が検出限界値未満」と説明し、安心して出産・子育てできる環境づくりの大切さを強調。「南相馬が昔の姿を取り戻すため住民の気持ちを国に伝える」と力説した。

新地町の加藤憲郎町長は、住宅再建がほぼ完了した現状や交通インフラの整備状況を紹介。「新しい駅を中心とする街並みを形成し、町民一体で新たな町づくりを進める」と話した。

相馬市の立谷秀清市長は「震災対応は次の死者をいかに出さないかが重要」と説明し、災害関連死、自殺、孤独死を食い止めるための取り組みについて語った。また、「震災の教訓が未来に受け継がれることを願う」と結んだ。


「早産」などの割合、震災前後に変化なし 復興シンポジウム
2016年05月09日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160509-072063.php

相馬市で8日、最終日を迎えた「こどもと震災復興国際シンポジウム2016」で、医師や国内外の大学教授らが研究成果などを報告した。

このうち、南相馬市立総合病院のクレア・レポード研究員は、同病院で生まれた新生児の早産(37週未満での出産)と低出生体重児(2500グラム未満)の割合について報告。早産は震災前4.9~7.7%、震災後3.9~6.7%、低出生体重児は震災前7.7~8.7%、震災後5.4~10.6%と、いずれも震災前後で大きな変化がなかったことを説明した。

相馬中央病院内科医・南相馬市立総合病院非常勤医の坪倉正治医師は「外部被ばくと内部被ばく調査の取り組み」について語った。

このほか、相馬中央病院の越智小枝内科診療科長は「子どもと高齢者の健康影響」、インペリアル・カレッジ・ロンドン腫瘍外科学講座のジェリー・トーマス氏が「甲状腺スクリーニングの世界の動向」、インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生大学院の野村周平氏が「原発事故後の避難と健康リスク」について報告した。



甲状腺がん関連認めず 放射線の健康影響研究成果を報告 国際シンポ最終日
2016/05/09  福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2016050930823

「こどもと震災復興 国際シンポジウム2016」は最終日の8日、相馬市民会館で放射線の健康影響に関する研究報告などを行った。東京電力福島第一原発事故と甲状腺がんの関係について、福島医大の医師や海外の研究者らはいずれも「被ばく線量などを考慮すると、現時点で甲状腺がんへの影響は認められない」との認識を示した。

志村浩己福島医大臨床検査医学講座主任教授は県民健康調査「甲状腺検査」の実施状況を報告した。悪性・悪性疑いの発見率が地域間で大差がない点、放射線による発がんリスクは被ばく時年齢が低いほど高いが、検査で症例が見つかった震災時の平均年齢は約15歳で、0~5歳児に認められていない点などを影響がないとする要因に挙げた。
 
一巡目の検査でがんの確定が100人、疑いが15人だったが、「東日本大震災から5年で結論を出すのは早いが、被ばく線量の低さを考えると発生は考えにくい」とした。
 
甲状腺病理学を専門とする英国のインペリアル・カレッジ・ロンドン分子病理学のジェリー・トーマス教授も「原発事故後の放射線ヨウ素の被ばく量から考えると甲状腺がんの増加は識別できない」との考えを示した。発症が確認されている点については「子どもたちを網羅的に、高精度の超音波でスクリーニング検査しているため(見つかる)頻度が上がる」とした。
 
相馬地方の住民の外部・内部被ばく線量などを調査している相馬中央病院の坪倉正治医師は「被ばく線量は少ない」との調査結果を示す一方、放射線に関する知識や風評など課題があるとし、「正しい情報の伝達、提供を続ける仕組みづくりが欠かせない」と述べた。
 
一方、相馬中央病院内科診療科長の越智小枝医師は震災後の運動不足による子どもや高齢者の体力低下に関する調査結果を発表。「がんや放射能に議論が終始し防ぐことができる健康被害が見落とされている。復興が目指すところは人々の健康」と強調した。
 
相馬地方市町村会の主催、世界保健機関(WHO)の共催、実行委員会の主管、日本医師会の特別後援、福島民報社などの後援で初めて開催した。





「相馬地域に若者を」 相馬で復興シンポ、情報発信の継続訴え
2016年05月09日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160509-072064.php 

相馬地域の医師や国内外の有識者が震災と原発事故による健康影響などの研究成果を世界に発信する「こどもと震災復興国際シンポジウム2016」の最終日は8日、相馬市でパネル討論などが行われた。パネリストは、相馬地域の復興や再生に向けた人材確保のため、地域の魅力や放射線量などに関する情報発信の重要性を強調。「相馬地域の素晴らしさを伝え、若者を呼び込むことが必要」という考えで一致した。

パネリストは、震災と原発事故から5年が経過した今、地域の再生に向け、避難住民の帰還を促したり、県外などから若い人材を呼び込むことの大切さを訴えた。桜井勝延南相馬市長は「専門家による科学的なデータを通して南相馬市を正しく知ってもらい、地域の素晴らしさを伝え続けることが求められている」と提言。立谷秀清相馬市長も「放射能教育の大切さやシンポジウムの成果を世界に向けて発信したい」と語った。

一方、滋賀県から南相馬市に移住した南相馬市立総合病院の山本佳奈研修医は移住を決めた時、両親から心配されたエピソードを明かし、「南相馬市の魅力を伝えることで誤解は解けた。被災地の本当の姿を知ってもらいたい」と相馬地域を正しく理解してもらうことの重要性について述べた。

また、パネル討論以外では、相馬地域の外部被ばくと内部被ばくについて研究報告した相馬中央病院内科医・南相馬市立総合病院非常勤医の坪倉正治医師が「子どもが放射線について知る機会が減っている」と危惧。「授業などで最低限でも放射線の知識を教えるべきだ」と呼び掛けた。

シンポジウムは相馬地方市町村会の主催、世界保健機関(WHO)の共催、日本医師会の特別後援、福島民友新聞社などの後援。

研究家らが相馬地域の情報発信の必要性
などを強調したパネル討論=相馬市







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